タイの賃貸物件時の退去手続きと注意点
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タイの賃貸物件での退去手続きと注意点
タイで、実際に賃貸物件を借りて暮らすようになっていても、いずれは住み替えや日本へ帰国することがあります。
退去時は、入居時よりも気を付けることが多くあります。
日本のような感覚でいると、多くのお金を請求されたり返金されるはずのお金が返金してもらえないような状況なるかもしれません。
借りているお部屋の退去が決まれば、なるべく早め早めの手続きと準備を進めておきましょう。
タイで賃貸物件を借りて、退去する際に失敗しない注意点をまとめてみました。
早めの退去通知
契約している物件によって、事前通知期間は違いますが、概ね60日前には、物件のオーナーや管理会社への連絡が必要になってきます。
解約事前告知日数は、契約時の契約書に記載されていますので、契約時に必ず確認しておく必要があります。
それぞれの賃貸物件やオーナーによって、退去事前告知日数は違ってきます。
通知は借主より貸主に通知する義務が有ありますので、必ず確認しておきましょう。
退去告知期間
退去告知期間については、物件によって違ってきますが、通常の退去告知期間をまとめてみましたので、参考程度に見て下さい。
ご自身が借りている物件と適合するとは限りませんので、必ずオーナーや運営会社への確認はして下さい。
退去告示日数前に退去告知ができなかった場合には、規定違反として、デボジット分(日本的に言うと、「敷金」)約2ヶ月分の返金がななります。
退去告示日数は、概ね30日、60日、90日前が目安になってきます。
アパートの場合
アパートの場合、退去する60日前までに通知することが必要です。
1年満期で2年め目のご更新の際に「帰国の場合には30日前の通知で解約」できる物件もありますが、2年目以降も45~60日前通知が必要な物件もあります。
サービスアパートメントの場合
サーイスアパートの場合は、ほとんどが30日前の書面通知で大丈夫です。
また、ホテルタイプのサービスアパートでは2週間前でも大丈夫な場合もあります。
コンドミニアムの場合
コンドミニアムの場合に、退去60~90日前の通知が必要になってきます。
コンドミニアムの場合は、2年目以降の契約でも、60日前の退去告知と契約満了期間以内の解約の場合には、デポジットは返金されない場合もありますので、必ず確認しておきましょう。
必ず書面でオーナーや不動産会社に告知する
オーナーや管理会社に対し契約終了の告知書(英文レター)の提出します。
はっきりとした日付が判らなくても、おおよその日程で構いませんので、とりあえず提出しておきましょう。
告知書(英文レター)は、オーナーや管理事務所の両方に提出しておく方がいいでしょう。
稀に、管理事務所で書類が止まっていて、オーナーに伝わっていないような不測の事態が起こることもあるからです。
中途解約の場合
契約期間の満期前の中途解約の場合には、基本的にデボジット分(日本的には敷金みたいなもの)の返金はなくなってしまいます。
これは、1年満期の契約後に、再契約した2年以降でも同じです。
再契約日から、ある程度の期間に住まないとデボジット分の返還はない契約条項が含まれている場合もありますので、注意が必要です。
ただし、2年目以降には「中途解約事項」の特約事項が追加されることが多いです。
これは、会社の人事異動等で、日本へ帰国する必要になった場合に、60日前以降に解約通知を行えば、違約金の発生なく中途解約できる場合が認められる特約事項になり、その場合にはデボジット分が返金されることになります。
水道、電気、ネット等の解約手続き
ライフライン及びインターネットや日本のテレビ放送受信等の解約が必要です。
個人で契約している飲料水用のサーバーなどの解約も忘れずに進めていく必要があります。
これら契約件案でも、解約通知が遅れた場合や契約中の解約の場合に追加で費用が請求される場合もあるので、契約時に確認しておきましょう。
部屋の修繕費
お部屋を綺麗に使っていても、部屋の修繕、修復費用の請求判断は、オーナー基準で決まりますので、何かしらの修繕費は発生して請求されることが一般的です。
修復費は、各物件によっても違ってきます。
基本的に、単身者よりも、お子さんのいるご家族の方が、比較的多く請求されることが多いです。
相場としては、単身者の場合で0〜約5,000バーツ、ご家族の場合で0〜25,000バーツぐらいです。
ペットがいた場合には、さらに高額になることもあり、15,000〜30,000バーツ以上かかる場合もあります。
基本的は、綺麗にお部屋を使用していた場合には、賃貸料の10%前後の修繕費だけで済む場合が多いです。
稀に、本当に稀ではありますが、高額な修繕費を要求される場合があります。
借主の責任ではなく、賃貸物件の構造上の理由(雨漏り、虫等々)から、お部屋に大きなダメージを与えるケースが少なからずあります。
目に見えない部分での損傷が発生した場合には、それを証明する必要が出来てきますので、個人で契約している場合には、全て自分で処理することになります。
サービスアパートの場合
サービスアパートについては、目立ったダメージや備え付けの備品等の損壊があった場合のみ修繕費を請求される場合が多いようです。
アパートの場合
家族連れの場合には、5,000~40,000バーツ位の修繕費がかかる場合が多いです。
ペットがいる場合には、さらに費用がかかる場合がおおいです。
コンドミニアムの場合
コンドミニアムの場合は、1部屋ワンオーナーになりますので、オーナーさんの人柄が少なからず影響します。
賃貸物件としては、一番トラブルの多い物件となります。
お部屋は綺麗な状態で退去する
お部屋は、できるだけ綺麗な状態でオーナーにお返しする方がいいです。
軽い気持ちで、不用品などを置き去りにしたり、清掃が中途半端な状態で退去した場合には、処理費用やクルーニング代などを後日請求される場合もあり、最近はそのような傾向が増えてきているようです。
そうならないためにも、退去時には入居時よりも綺麗にしていくつもりでいましょう。
そして、出来るだけオーナーさんの立ち合いの元、お部屋を確認して鍵の返還をおすすめします。
デボジットの返金
デボジットは、日本的に言うと、「敷金」のようなものですので、お部屋に修繕等でお部屋の回復後の差額として、借主に返金されます。
ただし、ここで注意する点があります。
入居時に色々と多めのリクエスト(希望の家具や電化製品或いは過度の賃貸料を値切る要求)や揉めるような事があった場合には、多めの修復代の請求を受ける場合もあります。
契約前の交渉中のリクエストは大丈夫ですが、入居時当日にデボジットや家賃の減額や家具等の過度のリクエストを交渉する人がいますが、そうなった場合はオーナーの印象が悪くなりますので、デポジットの返還時に、多くの修理費等を多く請求される可能性がありますので、注意が必要です。
タイでは、消費者の保護という観点はあまり無いと思っていた方がいいです。
オーナー有利のお国柄ですので、退去時などにトラブルに発展して、裁判での決着を望んだ場合でも、我々外国人には、ほとんど言っていいほど分が悪い判決しかありませんので、オーナーとは善良な関係を築いておく方がいいでしょう。
お部屋を普通に使用していれば、デポジットしたお金は、修復費を差し引いた分が返金されます。
ただし、契約期間の途中解約の場合には、敷金は返金されません。
デポジットはいつ返金されるのか?
基本的に、退去日から2ヶ月以内には、銀行口座にデポジット分が振り込まれます。
2ヶ月も要する理由としては、公共料金等の支払いの確認があり、入居者の最後の入居月の公共料金の請求がオーナーの元へ届くのに、おおよそ1ヶ月半程度かかるからです。
そのため、最終入居月の公共料金の確定後にデポジットが返却される仕組みになっています。
サービスアパートでは、退去して2週間以内にデポジットを返却してくれるところもあります。
デポジットの返金期間については、契約書に書かれています。
デポジットの振込先の設定
退出届きには、退出後のデポジット金の振込先も記載しておく必要があります。
銀行への振り込みが基本ですが、物件やオーナーによっては、小切手での支払いの場合もあります。
また、振込先での注意点として、日本にある銀行への振込はしてもらえませんので、タイでの銀行口座が必要になってきますので、口座がない場合には、現金での支払いができるかどうか確認しておく方がいいでしょう。
タイの賃貸物件退去時の注意点まとめ
通常であればほとんど問題が起こるようなことはありませんが、もしトラブルになった際に、個人で契約している場合には、自力で解決しなければなりませんので、出来るだけ最初の契約時の段階で日系の不動産業者さんを利用する方がいいと思います。
それでは、退去が決まった日から時系列で気を付けることを書いていきます。
退去が決まった時点での注意点
退去が決まったら、正確な日付が決まっていなくても、おおよその日付で構わないので、オーナー或いは管理事務所に連絡する必要があります。
忘れがちなのが、帰国が決まった際の帰国日と飛行機の予約を決めておいた方が、退去手続き及び各種解約等の段取りが、スムーズに物事が進行していきますので、何かと楽になってきます。
1.退去通知は必ず書面で通知する
無用なトラブルを避けるために絶対に必要ですので、口頭だけで済ませるようなことはしないようにしましょう。
2.物件によって、事前告知日が違う
借りられている賃貸物件、コンドミニアム、サービスアパートメント、アパートによって、事前告知日が違いますので、事前に確認して退去を伝えましょう。
事前告知日を過ぎてからの告知の場合には、履行違反となり、デボジット分のお金が返金されない場合もでききます。
退去までの準備
退去の意思をオーナーに伝えることによって、オーナーさんは、彼方が出て行った後の新しい賃貸者を確保するために、色々と準備をしていきますので、出来るだけそれに協力していく必要があります。
1.賃貸契約希望者に対してお部屋の内覧
オーナーが新規の契約者の確保のために、内覧依頼者の内覧がオーナーから連絡がありますので(ない場合もあります)、出来るだけ内覧の協力をするようにする。(できるだけ貴重品等はお部屋に置かないようにする)
仕事などで、不在が多い場合には、オーナーに合鍵の有無の確認をし、無い場合には鍵を管理事務所などに預ける必要がでてきますので、出来るだけ貴重品は部屋に置いておくようなことは避けましょう。
2.個人で契約しているサービスの解約手続き
個人で契約しているサービス(水道、電気等)があれば、これも早め早めの解約手続きをしておきましょう。
ネットなどの場合には、契約期間中の解約の場合には、解約金を徴収される場合もありますので、契約時に確認しておく方がいいでしょう。
また、お部屋付きのWiFiの場合には、解約手続きをしていない場合に、次に入居する人が新規に契約できない場合もありますので、注意が必要です。
それと合わせて、各サービスの料金の最終月の支払いも忘れないようにしたいです。
3.自分の荷物を明確にしておく
自分が購入した物品とオーナーが設置して物品に関してトラブルになる場合があります。
これは、オーナーが元々お部屋に置いていたものか、借主自身が住み始めて設置した荷物かを巡って、トラブルになるパターンです。
トラブルを避けるためにも、オーナーに立ち合いの元で、お部屋の備品と自分の持ち物を明確にしておく方がいいですのです。
明確にしておかにと、引っ越し業者さんなどが、分からずに梱包してしまい、日本へ送り届けてしまうことも起こってしまいます。
4.転居届の提出
結構忘れがちですが、転居届を日本大使館に提出しましょう。
5.引っ越し業者への依頼
このサイトを読んでいただいてる方は、個人で家を借りている方が多いと思いますので、あまり当てはまらなかもしれませんが、多くの駐在員さんが日本へ帰国する集中月があります。
時期としては、2月の後半から3月後半にかけてが、駐在員さん達の帰国ピークですので、貴方の帰国日がその時期に重なった場合には、引っ越し業者さんに依頼することができなくなりますので、早め早めの行動を心掛けましょう。
本人は、既に日本にいるのに、荷物がタイに置いたままになり、その荷物の保管料などの無駄な出費がいることになりかねませんので、引っ越し業者さんへの依頼も早く予約入れておきましょう。
6.不用品の処分
日常生活をおくっていると、どうしても荷物は増えていきます。
これが、ホテルなどの長期滞在の場合には、日常品などを買う必要がありませんが、賃貸物件等の「我家」になるとどうしても、生活しやすいように色々なものを買いそろえていってします。
日本へ持って帰るならいですが、処分する必要があるものは、自分で処分するかリサイクルショップへの買い取りを依頼する必要があります。
この際に、気を付ける必要があるのが、引っ越し業者さんと同じで、ピーク時には対応してもらえないこともありますので、不用品の処分も早めに段取りしておいた方がいいでしょう。
退去時の注意点
退去当日は、できるだけオーナーが立ち会える日を選びましょう。
後から、身に覚えのない修復費用等を請求されるのを防ぐ意味も含めて、気持ちよく退去できるようにした方がいいです。
1.できるだけ、鍵をオーナーに直接渡す
タイの賃貸物件では、多くの鍵が用意されている場合があります。
玄関の鍵、勝手口の鍵、各お部屋のドアキー、トイレの鍵、金庫の鍵・・・等々と用意されている場合がありますので、保管には気を付けた方がいいでしょう。
自宅の玄関キーなどの場合には、シリンダーの交換も必要になってきますので、鍵の取り扱いには気をつけましょう。
荷物の確認と同じですが、入居時にオーナーから手渡された鍵は、必ず決まった所に保管しておく方がいいいです。
無用なトラブルに発展する可能性がありますので、出来るだけオーナーに直接手渡す方がいいです。
渡されていた鍵が1本でも紛失した場合には、鍵一式を新調することになります。
2.できるだけ、オーナーに立ち会ってもらう
退去時は、出来るだけオーナーに立ち会ってもらい、一緒にお部屋の点検及び備え付けの家電等をチェックしてもらいましょう。
3.入居時よりもお部屋を綺麗にして退去する
退去時のお部屋が綺麗にしておくと、オーナーによる退去後の修復確認作業も、心情的に甘くなりますので、それだけデボジット分が多く戻ってくる可能性もでてきます。
退去後
借主の荷物搬送が終わった後に、お部屋のチェックがはいります。
修復費は、デボジット分から差し引かれますが、別途支払いになる場合もあり、光熱費等の個人払いのものと一緒に支払うこともあります。
修復費用は、その場ではわかりませんが、オーナーと一緒にチェックできる際には、指摘のあった箇所をリストアップしてもらい、確認の上で書類にサインをすることになります。
タイ(他国でも同じです)で不動産を借りる時の心構え
最後になりますが、タイや他の外国で賃貸物件を借りる際の注意点として、最も大事なことは、「日本ではない」というこを頭に入れて行動した方がいいです。
日本での常識は、外国では非常識と思うぐらいでないと、無用なトラブルやストレスを溜めることになってしまいます。
好きで、暮らしていこうと思っていた国のことが嫌いになって、帰国するようなことにもなりかねませんので、「日本ではない」という考えを頭の片隅においておく方がいいと思います。
また、ここで書きだしていることは、基本的な注意点しか書き出していません。
全ての賃貸物件に適用するものではありませんので、各自が借りられている賃貸物件の契約書をよく確認して、円満退去できるようにしましょう。
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