コロナ禍のプーケット市場はどうなっていくのか?
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コロナ禍のプーケット市場はどうなっていくのか?
日本でも、コロナウイルスのワクチン接種が始まっています。
コロナ禍の現在、リゾート地での不動産販売状況は、あまり芳しいものではありません。
コロナウイルスの完全な絶滅は、まだまだ先になると思いますが、「withコロナ」後のプーケットの不動産市場はどうなっているのでしょうか?
このまま、観光地での不動産販売は衰退していくのでしょうか?
2021年にタイ経済が直面する問題
タイの経済は、観光業と密接に結びついていると言っても過言ではありません。
海外からの観光客が安全に訪れるようになれる時期が早ければ早いほど、タイの不動産市場は早く回復していきます。
タイ政府観光庁(Tourism Authority of Thailand: TAT)のユタサック総裁によると タイにおける2020年の外国人旅行者は約670万人で、2019年の3,990万人から大幅に減少していることを発表しました。
外国人旅行者による年間の観光収入も、2019年の約1兆9,300億バーツ(約6兆6,500億円)から8割以上減少の約3,320億バーツ(約1兆1,400億円)に留まりました。
金額にすると約1兆5,980億バーツ(約5兆5,000億円)の減額です。
また、タイ人の国内での旅行者数も、2019年の1億7,270万人から約9,000万人に急減しており、そこからの観光収入も6,190億バーツ(約2兆円)減ったため、観光業全体では2兆2,000億バーツ(7兆5,000億円)以上の損失となったとのことです。
残念ながら、いつの時期に観光客が戻ってこれるようになるかは、誰にも分からない状況が続いています。
タイにおける2021年のワクチン接種はいつごろになるのか?
タイ政府も、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカなどの製薬会社のCovid-19ワクチンに期待を寄せています。
タイ政府は、1300万人に十分な2600万回分のアストラゼネカのワクチンを事前注文しているそうですが、タイ国内の接種開始時期はわかっていません。
政府は、アストラゼネカと2600万回の投与と、タイでCovid-19ワクチンを製造する権利について事前合意に署名しいますが、5月までの供給は見込まれていません。
プーケットでのワクチン接種を優先地に指定
そんな中でも、プーケットでは、7月よりワクチン接種済みの外国人観光客を隔離なしで受け入れる計画を進めています。
タイのピパット観光スポーツ相は3月末、同県について「7月1日にはワクチンを2回接種した来訪者は隔離が不要になる」との見解を示していました。
同相によると、プーケットで1週間過ごした後に受けた検査で陰性であれば、タイ国内の他の地域を訪れることも可能になるそうです。
これを実現するためには、プーケット県民のワクチン接種率が70%に達する必要があるために、プーケットで優先的にワクチン接種を行う予定です。
これは、タイ国内のリゾート地でも特に外国人観光客の多いプーケットを重点県と考え、第3四半期に10万人の外国人観光客がプーケットを訪れ、年末までに全国で650万人が訪タイすることを期待しているそうです。
各リゾート地のコロナウイルスに関しての見解
コロナウイルスの完全な封じ込めは、今のところは不可能な状態ですが、タイの各リゾート地では、ワクチン接種によって、ある程度の回復があると見込んでいるようです。
サムイ島
サムイ島観光協会の会長であるウォラシット・フォンカンファン氏によると、2020年は、約500億バーツの収益を失ったと語っています。
さらに、ウォラシット氏は「サムイ島にある660のホテルのうち、現在開いているのは約180のホテルだけで、この速度で地元の観光が続けば、国内観光は停止しなければならず、島の観光は引き続き低迷するだろう」とも述べています。
しかし、今年の第1四半期に地域の感染を封じ込めることができれば、ハイシーズンになる第2四半期には、特に代替の州検疫施設(ALSQ)の準備により、観光事業が復活する可能性があるとの見解を示しています。
ウォラシット氏によると、サムイ島は、必要な整備が整った11のホテルをASLQ施設(※1)として利用できるように準備ができているそうです。
しかし、政府によって開始された特別な観光ビザ(STV)スキーム(※2)(計画)は承認されていないため、ホテルは空のままです。
「外国人観光客が来ないかぎり、2021年内の観光業の回復は難しく、収入は減っていくだろうと」と彼は語っています。
ASLQ施設(※1)
海外からの旅行者や帰国者のための隔離ホテルです。
バンコク市内の隔離用宿泊施設をASQ(Alternative State Quarantine)、バンコク以外のエリアにある施設をASLQ (Alternative State Local Quarantine)と区別しており、これらは全てタイ公衆衛生省と国防省の正式な認可を受けています。
観光ビザ(STV)スキーム(※2)
2020年10月2日から2021年9月30日までの期間中に低リスク国/地域からタイに渡航する外国人観光客向けの特別観光ビザ(Special Tourist Visa -STV)や、2020年10月9日からは低リスク国/地域からタイに渡航する外国人観光客向けの観光ビザ(Tourist Visa -TR)の保有者のCOE申請が可能となるなど、新型コロナウイルスの影響による入国制限の緩和政策です。
プーケット
プーケット観光評議会のサラユット・マラム会長は、ワクチンがプーケットの経済回復への唯一の希望であると述べています。
「政府がワクチンを提供するのを待っています。ワクチンが安全で効果的であることが証明された場合、より多くの人々がワクチンを接種し、外国人旅行者が入国を許可された場合、プーケットの経済回復が見込める」との見解です。
「外国人観光客ができるだけ早く入国できるようになるように願っています。政府は観光にとって重要で国の収入を生み出すことができるリゾートでのワクチン接種を優先すべきです」と述べています。
パタヤ
パタヤビジネスツーリズム協会のEkkasitNgampichet会長は、パタヤは常に外国人観光客を中心に依存してきましたが、今年は外国人観光客からの収益が低いことから、国内の観光客を引き付けることに焦点を移すと述べました。
パタヤでの4大外国人観光客は、中国人、ロシア人、インド人、韓国人の順に多く訪れており、コロナ禍以前は、約1,000万人の外国人がリゾート都市を訪れ、年間約2,400億バーツの収入をもたらしていました。
その数字は2020年に400億バーツに急落したとEkkasit氏は言ってます。
「最悪のシナリオでは、2021年後半または2022年半ばまでは外国人観光客の回復は望めません。しかし、他の国でテストされたワクチンが効果的であることが証明され、外国人がタイに入ることが許可されれば、観光経済の回復が早期に期待できる」とエッカシット氏は述べています。
チェンマイ
チェンマイは、12月初旬にミャンマーから国境を越えて戻ってきたタイ人労働者からの感染症の影響を受け、ホテルの部屋の予約が50%減少しました。
感染数は比較的少ないままですが、チェンマイは今や訪問者にとって州の伝統的なピーク期間であるため、依然として油断を許さない状態です。
パンデミックが発生する前は、チェンマイは年間1,000億バーツ以上の観光収入を上げていましたが、コロナ禍後、それは半分に削減されました。
チェンマイ観光評議会のパロップ・セ・ジュー会長は、「2021年に国の再開が遅れた場合、通常の目標の40%にしか到達しない可能性がある」と述べています。
パロップ氏は、「ワクチンがなければ、世界の観光を促進する要因のほとんどは存在しません。」と語っています。
プーケットの不動産市場
ワクチン接種によって、コロナウイルスのある程度の封じ込めが可能になり、観光業の回復が見込まれると各リゾートでの見解のようです。
そして、「withコロナ」という新しい生活様式と、ワクチン接種により、外国人観光客の増加に伴い不動産市場も活発になっていくと思われています。
プーケットのコンドミニアムの販売については、下降傾向だったようです。
コロナ禍のプーケットでの豪華ビラの販売が好調
今回のコロナ禍によって、観光業と密接に関連しているリゾート地の不動産投資では、不動産価格の劇的な下落につながるだろうと予想されていました。
しかし、タイのプーケットではその予想に反して、不動産の暴落は起こりませんでした。
プーケットでは、外国人が不動産を購入する際に、ほとんどの場合が現金で購入することが多いために、プーケットの不動産市場での暴落が見受けられなかったようです。
それどころか、プーケットでの不動産取引は、過去1年間で数百万ドルの売り上げ急増しました。
パンデミックの最盛期に取引された物件は、50億バーツ(約1億6700万米ドル)以上になっています。
タイのコンサルティンググループC9Hotelworksの市場調査によると、2020年中の不動産取引は、横ばいであったにもかかわらず、5年間で最高レベルに達しており、ベッドルームが4ベットルーム~6ベットルームまたはそれ以上ある広大な豪華物件が富裕層のタイ人に人気だったようです。
裕福な中国人バイヤーはプーケットでの高級物件を探しています
タイは、他の国々と違い、比較的簡単に長期ビザを取得することができ、さらにプーケットには一流の病院、インターナショナルスクールが近くにある、パンガーのナタイ、カマラビーチのモンアズール、ラディソンプーケットマイカオビーチなどは、コロナ禍の中でも、都市生活からの脱出を探している裕福なタイ人の家族や退職者が多くいます。
新型コロナウイルスによって、大打撃を受けている、タイの不動産ですが、水面下では、裕福層の中国人バイヤーや富裕層のタイ人は、相変わらず良質な不動産物件を探しています。
コロナ禍においても、裕福層の中国人にとっては、プーケットの不動産は魅力的なものにかわりません。
プーケットだけではありませんが、裕福層の中国人が海外の不動産を購入していく理由は、資産保全とリスク分散が大きいからです。
また、海外の不動産を所有することにより、外貨を保有、運用することが出来ることも人気の理由のようです。
2021年以降の見通し
タイの不動産投資業界では、回復するまでに数年かかる可能性があると考えられています。
それでも、プーケットでの不動産購入に関しては、多くの関心が集まってきているようで、ワクチンのよりコロナ禍が終息することにより、2021年の末期から2022年にかけて活発になっていくだろうと予測されています。
2021年3月にコロナの第3波がタイで起こり、クラスターによる感染拡大が起こり、4月には36,000を超える症例が報告され、5月1日から19日だけで、51,000の症例が記録されました。
そんな中でも、プーケットは、予防接種を受けた旅行者が検疫なしで入国できるように、7月1日から再開する準備がされているようです。
ヴアチラプーケット病院のチャレンポン・スコンタポル院長は、プーケットの住民45万人が6月までにワクチン接種を受け、島に住む外国人は今月末からワクチンの接種を開始すると発表しています。
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