私にとってのロングステイ(海外移住)とは?
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私にとってのロングステイ(海外移住)とは?
ロングステイとは?
最初に「ロングステイ」と呼ばれていたものと、現在認知されている「ロングステイ」とは若干意味合いが違っているようです。
1986年代に提唱されていたロングステイ
最初は、通商産業省のサービス産業室が提唱した、リタイア層の第二の人生を海外で送るプログラムを指す海外滞在型余暇構想でした。
正式名称は「シルバーコロンビア計画“92”-豊かな第二の人生を海外で過ごすための海外居住支援事業」でした。
「92」が付いているのは、予定計画実施開始年が1992年を目標にしていましたが、計画どまりで終わっています。
実現しなかった理由として、色々ありましが、当初から国内外から批判をかなり受けており、現地外国の文化を遮絶した「日本人村」を作るようなもので、さらには「老人の輸出ではないか」との批判を受ける形になり、計画は頓挫してしまいました。
1992年代からのロングステイ
「海外滞在型余暇構想」を改善する形で、1992年に「ロングステイ財団」が作られ、一般財団法人として存続しており、「生活の源泉を日本に置きながら海外の1か所に比較的長く(2週間以上)滞在し、その国の文化や生活に触れ、現地社会への貢献を通じて国際親善に寄与する海外滞在スタイル」を総称してロングステイと名づけられています。
財団は現在、海外のみならず、国内ロングステイ(1週間以上の滞在)の普及活動にも取り組んでおられるようです。
ロングステイにはお金がかかります。
ロングステイは、長年コツコツと働いてきた人達にとっては、物価の安い海外で、老後を悠々自適に過ごせていけるような、とても夢のある海外での生活スタイルです。
ただし、ロングステイにはお金がかかります。
日本に家を残して、海外で住むことは、ある意味二重生活のようなものになります。
日本での生活を全て清算して、外国に住むのなら、まだ余裕がある生活を送ることができるかもしれませんが、歳を重ねていくと、体力面、健康面などでに不安要素が増えてきます。
そうなると、若い時と同じような生活や旅行に行くことが難しくなります。
どうしても、お金の力が必要になってくる時がやってきます。
一時期テレビで物価の安い東南アジアで夢のような生活が出来るかのような番組が多くありました。
その時のテレビでは、ロングステイに成功(?)されておられる方達を番組のホスト役として、物価が安い海外での暮らしを賛美される番組構成になっていました。
今でも、時々放送されているみたいです。
私も、それを頭から信じており、老後は物価の安い外国で住むことを考えていました。
実際に、物価が安く生活が楽だと言うわれている外国に行って、少なくとも1週間~2週間は滞在してみました。
ここはと思う国には、1ヶ月滞在したこともありました。
確かに、日本よりは物価が安く、金銭面的には楽に生活していける国は存在していましたが、日本で暮らしているような快適さはなくなってしまいました。
若い時には、それでもやっていけると思いますが、50歳を過ぎると年齢的なことから、色々と不具合が出てきます。
日本で生活していると、意識して思うことはありませんが、海外にでると加齢による老いを感じることが多く出てきます。
それは、肉体的なことだけではなく、精神的なことにも及びます。
そうなると、それを補うためにお金が必要になってきます。
「物価が安い」という理由で移住すると、とんでもないことになります。
東南アジア諸国の物価は本当に安い?
日本に住むよりも、比較的物価が安い海外で、優雅に生活できるために海外移住を計画されている方達も多くおられると思います。
物価の安い海外で年金や貯えで、悠悠自適な生活が本当にできるのでしょうか?
現地の方と同じ生活をするなら、比較的安く生活していくことが可能
タイなどは、以前のように物価が安いという感じではなくなってきていますが、実際にはどうでしょうか?
実際に、日本人がよく買い物へいく店舗での値段を見てみました。
これは、ほんの一部です。
日本での価格については、私が住んでいる近くにあるスーパーでの価格を表記しています。
もちろん、ローカルの方が行かれるお店の場合には、さらに安くなっている場合もありますが、店舗数が多くて駅近くにある「Tops」や「Big C」での販売されている商品の一部を書きだしてみます。
食品関係の比較
物品 | 日本での価格 | タイでの価格 |
ペットボトル(水) 500ml | 33円~ | 5~40バーツ(日本円で17円~140円) |
ペットボトル(コーラー) 500ml | 95円~ | 17バーツ(日本円で約60円) |
お~いお茶 | 600mlで140円 | 500mlで30バーツ(約100円) |
生卵(12個入り) | 190円~240円 | 55~65バーツ(日本円で約180円~212円) |
牛肉ミンチ | 100g 210円~ | 200g 95バーツ(日本円で約313円) |
トマト | 1個平均104円(最安値69円) | 4個で40バーツ~41バーツ(約135円) |
玉ねぎ | 1個平均72円(最安値33円) | 4個が31バーツ~32バーツ(約105円) |
もやし | 200g 約30円 | 1パック(200g前後) 22バーツ~(約73円) |
ホクトのホワイトぶなしめじ | 216円~ | 59バーツ(日本円で約192円) |
とうもろこし | 1本で120円~ | 2本で29バーツ(日本円で約94円) |
キャベツ | 100円~150円 | 25~40.55バーツ(日本円で87円~140円) |
豆腐 | 3パック108円~ | 28バーツ(日本円で約91円) |
卵豆腐 | 3バック90円~ | 9バーツ(日本円で約29円) |
雪見だいふく | 88円~ | 99バーツ(日本円で約320円) |
森永ジャンボモナカ | 140~ | 119バーツ(日本円で約388円) |
日用品
物品 | 日本 | タイ |
パンテーン シャンプー ミラクルズ クリスタルスムース ポンプ 500ml | 900円~ | 349バーツ(日本円で約1,150円) |
パンテーン トリートメント ミラクルズ クリスタルスムース ポンプ 500g | 900円~ | 349バーツ(日本円で約1,150円) |
トイレットペーパー | 12ロールで420円~ | 8ロール30バーツ前後(日本円で約30円 薄い・・・) |
映画館での映画鑑賞 | 1800円(大人 イオンシネマ) | 220バーツ~(約722円~) |
外食の比較
日本では、あまり屋台での食事は見られないないので、比較をするのは難しいですが、スーパーなどの入っているフードコートの料理やファーストフードで比較してみました、
物品 | 日本 | タイ |
フードコートや屋台(麺類) | 320円~ | 40バーツ~(日本円で140円~) |
フードコートや屋台(焼きめし系) | 500円~ | 40バーツ~50バーツ(日本円で140円~) |
高級ショッピングモールのフードコート | 90バーツ~100バーツ(日本円で約300円前後) | |
ビックマック | 390円 | 119バーツ(日本円で420円) |
スターバックスラテ(トール) | 418円 | 115バーツ(日本円で400円) |
日本とあまり変わらない販売価格
とても偏った比較になってしまっていますが、あまり日本と変わらないような気がします。
日系のスーパーでの買い物になると、俄然割高になります。
ただし、青空市場のような露店だとかなり安く食材を購入することができます。
地元の方が利用する屋台などは、安い値段設定になっていて、日本の3分の1程度のお金で食べれます。
私も、タイの屋台で食べるのが大好きで、タイ行くと必ず初日に食べに行きます。
長期間の滞在になると飽きてきますので、どうしても日本食が食べたくなります。
日本で育った高齢の方なら、なおさら、毎日のご飯が屋台ご飯では、かなりのストレスが溜まってしまいますので、どうしても日本食が食べたくなります。
ただし、日本でも馴染みのあるレストランやファーストフードなどでは、日本とほとんど変わらない価格になっています。
衣食住関係の日本製のものになると、日本で購入するようりも割高になってしまいます。
物価が安いと言われている東南アジアで同じようなものを購入しても、それなりの品質のものはなんでも日本のが安いことがわかります。
タイの経済発展にともなう国民の生活環境の向上により、物価もそれに合わせて上がっていっています。
タイなどは日本と同じサービスを受けるこことができることから、その傾向は顕著に表れています。
外国で住む理由が「物価が安いから」との理由だと必ず失敗してしまいます。
同じASEAN諸国の中でも、発展途上中のラオスなどでは、物価も安いですが、その分日本人にとっては、どうしても生活しにくい状況であることは否めない現実があります。
日本では無料のサービスが充実している
日本では、バイトで働いている高校生の方達にも、程度の差はありますが、ホスピタリティー的な気持ちを持って、お客さんに接してくれます。
外国で、それを求めると、無用なストレスを溜めることになります。
物価が安いと思われている東南アジア諸国で、それらを求めると、それ相応のお金が必要になってきます。
日本ほど、無料のサービスが充実している国はありません。
「お客様は神様です」
こんなことが通用しているのは、日本だけです。
外国で、同じようなことを要求すると必ず痛い目にあいます。
ただし、サービスの代価としてお金を支払えば
「お客様は王様です」
ぐらいにはなります。
せれでも調子にのると、反乱を起こされ王様として君臨できなくなりますので、限度が必要です。
素晴らしい日本の行政システム
日本の行政システムについて、よく批判的なことが紹介されていますが、私は日本の福祉政策を含めて素晴らしいものだと思います。
実際に、遠く離れた私の親が老人性の痴ほう症になった時にも、私に代わって積極的に動いていただきました。
ちょうど同じ時期に、私達夫婦に癌が見つかり、治療を受けている最中でしたので、本当に助かりました。
タイや外国でも同じようなサービスを無料で受けることは、絶対に無理です。
日本人の国民性
日本の物価の安さの原因はデフレや円安以外に、日本人の国民性も大きく影響していると言えます。
先ほど、バイトの方達のことを書きましたが、飲食店などの店員さん達は、ほとんどがバイトの方達ですが、お客として来た私達に、とても丁寧に接客してくれます。
外国では、考えられません。
1,000円前後のランチも普通に美味しく食べることができますし、店員さん達もホスピタリティー精神を持って接客をしてくれます。
海外で、美味しいご飯と日本では当たり前になっているサービスを受けようと思うと、それ相応の金額を要求されます。
海外からの多くの観光客の人達が日本に訪れる理由は、日本人の国民性である勤勉さと誠実さを、安い料金で体感できるからです。
海外移住で失敗するパターン
日本でも人気の渡航先である南国へ移住した知人の話です。
その知人は、その国が大好きで、長期の休みがあれば、必ず行くほど気に入っていました。
そして、彼の夢であるその南国への移住が実現しました。
彼と共に、家族も大喜びでした。
数年後に、その知人に会ってみると、以前のような生気はなく、目だけがギラギラしていました。
話を聞くと、家族とも上手くいってないとのことでした。
彼によると、生活を始めてから、ご近所の人達から、色々と注意されるようになって、近所付き合いが上手くいってないとのことでした。
家にいる奥様も、上手くご近所さんとも付き合いができないそうで、夫婦中もあまりよくないとのことでした。
同じ日本人のコミニティーに参加しても、「主」のような人がいて、その「主」に気に入られないと、コミニティーの中での居場所がなくなるとのことでした。
仕事でも同じ日本人からの嫌がらせが多いと嘆いていました。
実生活とのギャップ
彼が思い描いていた生活と実生活とのギャップがあったようでした。
1週間程度の旅行者として訪れていた観光客と住人として生活していくことになった時のギャップが、思ったよりも大きかったようです。
私達もそうだと思いますが、日本語が分からない、何か困った外国人観光客がいた場合には何かしらの手を差し伸べると思います。
彼も、外国の観光客として同じような体験をその国の人達から受けていたのではないでしょうか?
また、同じ言語を話すということは、程度の差はありますが、考え方や生活習慣もよく似ているので、日本人としてストレスが溜まりにくい生活を送っていくことができます。
私にとってのロングステイは旅の形
ロングステイは、厳密に言うと明確な定義は存在しないと思っています。
一般的に、2週間以上の滞在を指すことが多いようですが、それは各個人の思いで違ってくると思います。
ただし、ここでは便宜上1週間以上の滞在を前提に書いていきます。
私のロングステイと呼ばれている旅行体系は、下記のような国内外の旅行を指します。
観光地へは、ほとんど行きません。
観光名所と呼ばれている所へは、ほとんど行きません。
まったく行かないわけではありませんが、ほとんど行きません。
そこに住まわれている方達にとって生活の一部となっているような建造物や勝景地は大好きですので、見に行きますが観光用の整備されている観光地にはほとんど行きません。
ただし、大好きな映画の撮影地や私自身に特別な思いがある場所には出かけます。
商店街・市場・スーパーマーケットが大好き
私は、その国や日本各地にある商店街やスーパーマーケット巡りが大好きですので、旅行に出かけると事前に調べていたそれらのお店巡りに行きます。
また、ほとんど車などは使わずに、徒歩で歩き回りますので、1日で20~30キロを歩くこともざらです。
歩いて、その町の中を歩くことによって色々な面白いものを見つける楽しさがそこにはあります。
そのために、私が行く海外は治安がいい国だけです。
1週間~2週間で堪能できる。
どんなにいい場所でも、1週間~2週間ほど滞在するとすることがなくなってします。
上記のような旅行体系ですで、ある程度その場所に居ると見るものもなくなってしまい飽きてしまい、他の国や同じ国でも隣接している市や町に行きたくなってしまい、そこでまたウロウロしたくなってしまう悪い癖があります。
私達夫婦はマリンスポーツも全くしませんし、観光地でのアクティビティにも全く関心がなく、日がな一日町中をウロウロしているだけですが、それがとても楽しいのです。
暮らすような旅行は、私にとっての「旅行の形」
観光地へは行かない代わりに、地元のスーパーや商店街巡りをすることが、私達とっての観光旅行みたいになっています。
地元のスーパーや商店街などが私達にとっての観光地になっています。
それらお店を見て回り、地元の方達が購入していくような生活に必要な物を買ってかえることによって、生活の疑似体験を楽しむ旅行になっています。
ロングステイは、私達にとっては、「暮らすような旅行」という旅の形態なのです。
私は、なるべく自分達の行動は自分達で決めて動いていくような旅行をしていきたいと思っています。
パック旅行を否定している訳では決してありませんが、せっかくお金を出して行く旅行ですので、自分で調べて自分達の好きなように行動したいと思っています。
日常生活でもそうだと思いますが、暮らしていくのに、他の人に暮らし方を組み立ててもらい、その通り行動していくのは楽しくありません。
「今日は何しようか?」と思いながら、本当に海外で暮らしているような感じで、何の予定もなく日々を過ごしていく旅行が、私達にとって最高の贅沢な旅行なんです。
普通のホテルでの長期滞在は楽しくない。
「それでは、ホテルに長期滞在しては?」という疑問が出てきます。
それは、違うんです。
私達の中では、あくまでもその国で暮らしているような疑似体験を堪能できるような旅行をしたいので、洗濯機、乾燥機、キッチンが付いてるホテル、コンドミニアム、レジデンスでの滞在が必須条件になります。
宿泊場所に着くと、真っ先に近くにあるスーパーマーケットへ行き、調理をする必要がある食材や飲料水用の特大のペットボトルさらにはシャンプー類、洗濯用洗剤などを買いに行きます。
「わ~高い」「安~」などを言って、生活必需品など地元の方達が普通に生活していくために買っていかれるものを同じように買っていく楽しさが最高の瞬間になっています。
私達はただの旅行者でしかない。
これは、私達だけの考えですが・・・
あくまでも、ロングステイと言っても、安心して暮らせる日本に帰ることができるからこそ、海外での疑似体験的な「暮らしていくような旅行」が楽しむことができるんだと思っています。
今まで築き上げてきた日本での生活を捨てて海外で生活していくことを決めた方達を尊敬してしまいます。
そう決断をされたことは、私達が考えるよりもはるかに大変だったと思いますし、実際に色々なご苦労があると思います。
私は、長期間の海外生活をしても、安心して帰ることができる日本があるからこそ、楽しめているんだと思っています。
「ただの旅行者」だからこそ、楽しめることができるロングステイだと思います。
これからの課題
そんな楽しい旅行を続けていくには、どうしてもお金が必要になってきます。
国に頼ることなく自分でお金と時間を作っていくことを考えていく必要があります。
どこでも働ける仕組みを作ること
私の世代(50歳前後)にとって、時間とお金はどんどん減っていきます。
移住を考えている国でしか出来ない事や仕事があるなら別ですが、物価が安いという理由だけで、海外移住を計画すると必ず失敗してしまいます。
日本での生活に幸せを感じることができない人が、外国で幸せを感じられることは少ないと思います。
日本で、ゆったりと生活しながら年に数回長期滞在型の旅行をした方が楽しんだ方がいいように思います。
そんな夢の様な生活を送っていこうと思うと、絶対にお金が必要になってきます。
会社務めだと、長期的な旅行に出かけると、絶対に他の人達にご迷惑を掛けてしまうことになりますので、どうしても一人で仕事ができる環境を作っていく必要があります。
私は、それがネットを活用しての仕事だと思っています。
コロナで見えて新たな仕事のあり方
コロナによって、仕事を失った方は多くおられると思います。
その反面、コロナによって独立して会社に頼ることなく自分で道を切り開いた人達も多くおられます。
私も、ネット上での仕事をしていますが、コロナの影響で仕事の薦め具合に加速が加わったように思います。
そして、ネットを通じての新しいビジネスも多く生み出されてきています。
ネットを利用する事業者もコロナ前に比べて格段に多くなって、競争が激化してきていますので、自宅にいながら、素晴らしいサービスを利用することができるようになってきています。
私の場合は、まだまだ不確実な状態ですので、ネット上でのビジネスをしかっりとしたものに出来るように頑張っていきたいと思っています。
健康維持
そして、健康面です。
健康につては、油断するとあっという間に、体のどこかに不調が出てきます。
若い時は、お金がなくても、元気だけで本当に楽しかったことが懐かしいです。
癌を患ってから、健康の大切さが50歳を過ぎて、初めて身に染みる思いをしました。
タイは、日本やアメリカのように医療レベルが高い国ですので、私のような者でも安心して長期的に滞在することができますが、既往症の場合の治療に関しては、全額実費払いになってしまいます。
これを読まれている方も、「私は大丈夫!」とは思わずに、健康管理には十分に気を付けて日々を送られることを切望します。
定期的な健康診断と健康維持のための運動を欠かさずにいて下さい。
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