タイで救急車を要請する方法
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タイで救急車を要請する方法
救急車を要請する目安
- 生命の危機がある状態か?(意識がない、呼吸がない、脈がない)
- 多量の出血や異常な状態か?(麻痺やしびれ、言葉が出ないなど)
- 病院に着くまでに命にかかわる可能性があるか?
- 病人・負傷者を動かすことによって、容態が悪くなる可能性があるか?
- 救急救命士や救急救命装置が必要な状況か?
救急車を要請する時に伝えること
- 現在地
- 今電話をかけている携帯電話の電話番号
- 病人・負傷者の意識および呼吸の有無
- 病人・負傷者の名前、年齢、性別
- 病人・負傷者の既往症などの有無
日本国内でも、できれば救急車には乗りたくはありません。
外国なら、なおさら乗りたくはありませが、緊急の場合にはそんなことも言ってられません。
日本人の私達が、タイで救急車を呼ぶのは、以下の3つの方法があります。
- 私立の日本語対応の総合病院に要請する。
- アシスタンスサービス(海外旅行保険会社)に連絡して、救急車を呼んでもらう。
- タイの公共救急車を要請する。
の3通りあります。
3通りの要請方法がありますが、結局は私立病院の救急車を要請するか公共の救急車を要請するかのどちらかになります。
私立病院の救急車を要請する方法
タイでも日本語対応OKの大きな私立病院では、独自に救急車を保有していますので、日本語で救急車を要請することが可能です。
電話番号や料金は、各病院によって違いますので、長期でタイに滞在する場合には、住む予定近くの日本語対応病院に確認しておく方がいいでしょう。
私立病院に救急車は、ほとんどが有料になります。
派遣要請の距離、治療内容等に応じて、その料金は変わってきます。最低でも1,000バーツはかかります。
大きな私立総合病院の中には、バンコクなどの交通渋滞による救急車到着に時間が要する時間帯などの場合には、病院が公共の救急救命サービスと連携の上で、現場から一番近くにある病院へ搬送を依頼し、その後日本語対応病院で治療ができるように、病院・負傷者を同病院へ搬送するサービスを展開しています。
上記のサービスはもちろん、有料になります。
主なタイで救急車要請可能な日本語対応病院
日本語OKな私立の総合病院の場合には、病人及び負傷者が日本への救急搬送が必要と判断した場合には、日本の受入れ病院への医療情報提供等を、病院に常駐している日本人コーディネーター或いは日本語を話せる専門知識を有するタイ人によってサポートしてくれます。
24時間日本語で電話対応可能な病院の連絡先
バムルンラードインターナショナル病院
日本語直通電話番号:02-011-3388(24時間対応)
バンコク病院
日本語コールセンター:08-9814-30000(24時間対応)02-3110-3257(7:00~17:00)
アシスタンスサービス(海外旅行保険会社)に連絡して、救急車を呼んでもらう方法
アシスタンスサービス???
あまり聞かないサービスですが、これは海外旅行保険会社、旅行代理店やカード会社などが提供する医療中心の援助サービスになります。
海外で病気にかかったとき、救急車を手配してくれたり病院を紹介してくれます。
救急車を呼ぶ状況が発生する場合ですから、ほとんどの場合は余裕がない状況だと思いますが、余裕がある場合には旅行保険会社に連絡すると、日本語対応の病変への救急車の要請から全ての事務的処理の手配をしてくれるので、安心できます。
公共の救急車を要請する方法
公共の救急車による救急救命は、タイ公共保健省が運営管理している「ナレントーン」という救急部隊と、民間のボランティア団体が運営管理している救急救命支援団体が行っています。
日本人からすると、あまり考えられない体制となっていますが、多くの人命が、彼らの活動によって救われています。
タイの救急車要請の電話番号
電話番号は「1699」番(タイ国立救急医療協会 (National Institute for Emergency Medicine)になります。
現場から一番近い国立・公立の病院へ搬送してくれます。
24時間体制ですが、タイ語と英語のみの対応になっています。
タイの公共救急車の料金は?
無料です。
近くの病院へ搬送が鉄則
現場から一番近い国立・公立病院までの搬送が無料となっていますので、その搬送距離は一応、20km以内と定められているようです。
田舎の病院へ救急搬送された場合の段取り
救急車を自分で呼ぶことがでえきる余裕があればいいですが、意識がない場合などは、近くにいるタイ人の方が呼んでくれます。
その時には公共の救急車を呼んでくれることになりますので、気が付いた時には、地元の病院となります。
田舎の病院だった場合には、日本では考えられない状況で医療行為が行われている場合があります。
携帯電話などの電波やインターネットも通じにくい田舎の病院だった場合には、日本語や英語も通じないことが多いですので、出来るだけ早く日本語対応の私立病院への転移準備と海外障害保険会社へ連絡を取るか、上記の私立の総合病院へ連絡
転移する場合など、バンコクなどの大きな病院では、病院のプライベート救急車が、お医者さん、看護師さん、さらには、救急隊員2名が同乗して迎えに来てくれます。
さらに、緊急を要する時には、病院所有のヘリコプターでの転移もあります。
全ては、日本に帰国してからの治療のため。
タイの医療レベルはとても高いです。
日本と比べても遜色ありません。お医者様の技術も医療機器も一流です。
高いレベルの医療サービスを、日本よりも安い金額で受けることができます。
そのために、中国や近隣の東南アジア諸国、多くのアラブの富裕層がタイでの医療行為を受けにタイへやってきます。
タイで完全に移住している場合は別ですが、いずれ日本へ帰る時がきます。
帰国後、日本の病院での治療、療養が必要になってきますので、その準備を忘れては駄目です。
日本での受け入れ病院を見つける難しさ
考えにくいですが、外国で治療を受けて患者さんを無条件で治療してくれる病院は思ったよりも少ないです。
責任問題も出てくるからだと思いますが、外国の病院でどうような治療を受けたのか分からない状態で、その患者さんを収容した後に、患者さんの体調が急変した場合には、日本での受け入れ病院の責任問題が出てくることから、病院側もななか引き受けてくれないのが現状です。
そして、日本に帰国してからの治療のために、入院している病院で紹介状(「Referral Report」)を書いてもらう必要があります。
治療内容と現在の症状さらには、MRTやCT画像などの、画像診断の結果を入れたCDもできることならもらっておきましょう。
必ずと言っていいほど、幾つかの病院に相談、依頼することになりますので、紹介状や検査結果のCDは多く作成してもらう方がいいです。
それらを、入院しているタイの病院に依頼するためにも、日本語が通じる大きな病院の方がスムーズに対応してくれます。
領収書は、絶対に無くさないで保管しましょう。
病院で支払った料金の領収書は必ず保管しておきましょう。
たぶん、ほとんどの人が海外保険に入っているので医療費はキャッシュレスで大丈夫だと思います。
私の時もそうでしたが、現地の病院から直接保険会社へ連絡してくれますので、領収書等の提出はふようでしたが、保険会社によると、帰国後に提出を求められる場合もありますので、病院で受けてた際の領収書は必ず取っておきましょう。
また、クレジットカードの保険のみの場合には保証額が少ない場合があり、保証額以外は自腹で支払うことになります。
その場合でも、日本の保険制度(国保及び各保険)で「海外療養費制度」というものがあり、現地で払った医療費を、日本の医療費基準で計算した額で帰国後に戻ってくる場合もありますので、領収書等が必要になり、さらに病院が発行するの「診療内容明細書」が必要になってきますので、自分から病院に依頼する必要があります。
(参考:全国健康保険協会ウェブサイト「海外療養費とは」)
日本語対応OKな私立の大きな病院の場合には、依頼しなくても用意してくれる場合があります。
海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。
私立の病院に救急車を要請すると、最低でも1,000バーツ以上かかります。
それに合わせて治療費もかかってきます。
ほとんどの海外旅行保険には、救急車の派遣費用が含まれていることが多いですが、旅行前の加入時は必ず確認しておきましょう。
タイの救急車に関する問題点
タイの救急救命医療システムは、1936年に創設された「華僑報徳善堂」が始まりです。
現在では、公共の救急車が、現場での救急救命及び病院めでの搬送をしてくれますが、稼働可能な救急車の数が不足している状況があります。
この状況をカバーするのが「華僑報徳善堂」や「華僑義徳善堂」などのボランティア団体でした。
「華僑報徳善堂」や「華僑義徳善堂」などの成り立ちにつては、下のサイトで詳しく書かれています。
タイの公共の救急車は「ナレントーン」
「ナレントーン」はタイ公共保健省直轄の救急救命部門に救急医療部門です。
「華僑報徳善堂」や「華僑義徳善堂」と違い、その歴史は浅く、1990年代後半になってから組織されたものです。
バンコクなどの大きな都市以外では、その数が不足しており、大きな国立病院を中心に数台ずつしか配備されていません。
それを補うために、民間のボランティア団体が救急救命活動に従事しています。
その活動は、ボランティアの私財や寄付などで支援されています。
タイの救急車のレスポンスタイム
タイ政府による救急救命活動に対して消極的だったこよから、タイの道交法などには緊急走行車両を優先義務など明記されていません。
タイでは、あまり救急救命活動について知られていないことから、救急車への優先配慮などはほとんどありませんでした。
タイ政府による、救急救命活動に対する啓蒙活動のひとつとして、作られたテレビCMにより、ほんの少し変わったようでしたが、まだまだタイ国民には救急救命活動への理解は浸透していないようです。
CMは、救急車に進路を譲らなった青年の話ですが、その救急車には、その青年の親が乗っていたという内容でした。
「ナレントーン」やボランティア団体による救急車も、現場到着までのレスポンスタイムは遅くはありませんが、タイの交通事情から渋滞している場合が多く、日本と比べるとどうしても遅いことがあるのは否めない状況にあります。
ただし、タイの救急救命のレベルは「ナレントーン」やボランティア団体も決して低くはなく、装備、知識、経験知ともに、いざというときには心強い技術を有しています。
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