タイでコンドミニアムを購入する時にローンは組めるのか?
海外で、不動産を購入する際に気になるのが、ローンが組めるのかどうかです。
現金で一括払いできる場合は心配いりませんが、銀行からの融資を受けてタイで不動産(コンドミニアム)を購入しようと思った際にそれは可能なのでしょうか?
Contents
海外不動産ローンって何?
条件さえ合えば、タイの不動産を購入するために銀行でローンを組み購入することは可能になります。
海外で不動産を購入するのに大まかに分けると2種類に分けることができます。
海外不動産ローン
海外で不動産を購入のために受けるローンです。
無担保でのローンもありますが、担保がいる場合は、日本国内にある不動産等を担保にすることになります。
海外不動産担保ローン
既に所有ている海外不動産を担保にローンを受ける場合です。
この場合には、現地での不動産の価値を判定する必要がありますので、難しい判断が伴うことから取り扱っている銀行が少ないです。
どのようにして海外不動産ローンを組むのか?
上の不動産ローンで考えると、海外不動産を購する場合に考えられるパターンとしては、以下の5点が考えられます。
- 日本国内の銀行で無担保でフリーローン(無担保)を組む。
- 日本国内の銀行で、日本国内なる不動産物件を担保としてローンを組む。
- 日本政策金融公庫で海外で借り入れをする。
- 日本国内なある銀行で海外で所有している不動産を担保としてローンを組む。
- 現地の銀行を利用する。
が考えられます。
タイのコンドミニアムを購入するのにタイの銀行でローンを組む場合
結論を先に書くと、タイの銀行でも外国人である日本人がローンを組むことは可能ですが、金利がとても高く設定されていますので、あまりお薦めはできません。
以下、タイで日本人がローンを組むことができる銀行です。
ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(United Overseas Bank Limited)
シンガポールにて設立された多国籍銀行です。
タイをはじめマレーシア、インドネシア等々の東南アジア全域で活動を展開している銀行です。
HSBCは、世界各国に現地法人の金融機関を設立しているため、現地の金融機関から、現地の不動産投資のための融資を受けることが可能です。
タイでのワークパミット(労働許可証)を持っている場合と持っていない場合とでの融資条件が違ってきます。
タイでのワークパミット(労働許可証)がない場合、年収216万バーツ(約719万円)以上あることが条件となります。
金利は6%〜7%で、米ドルあるいはシンガポールドルで融資されます。
窓口は英語かタイ語での対応になります。
中国工商銀行(ICBC)
金利は同じく6%〜7%で、中国通貨である「元」建ての融資となります。
対応は、英語かタイ語、中国語での対応になります。
タイのコンドミニアムを購入するのに日本の銀行でローンを組む場合
海外の不動産を購入するのに、日本の銀行でローンを組むことができるのか?
条件が合えばそれも可能です。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは?
そもそも、日本政策金融公庫とはなんでしょうか?
日本政策金融公庫とは、中小企業支援という基本奉仕のもと、運営される政府系金融機関です。
そのために、不動産投資にも融資をしてくれる政府系金融機関です。
民間の銀行と違い、利益はあまり重視していません。
金利も低めに設定されています。
日本政策金融公庫は、「社会的弱者を優遇」と記載した文字通り、以下のような貸し付けも可能になってきます。
利用条件 | 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 | |
---|---|---|
用途 | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金 | |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | |
金利 | 1.16%〜2.25% 無担保の場合2.06~2.55 | |
返却期間 | 設備資金 | 20年以内<うち据置期間2年以内> |
運転資金 | 7年以内<うち据置期間2年以内> | |
担保・保証人 | 要相談 |
ただし、『確実に返済をできる証明』を示せないと、借入れはできません。
不動産投資で融資を受ける条件
基本以下の3点です。
- 不動産賃貸事業である(個人でも可能)
- 担保物件がある
- 未払いがないこと(公共料金や税金など)
日本政策金融公庫は原則、投資目的の融資は行いません。つまり、転売による売却益(キャピタルゲイン)による不動産投資目的だと判断された場合には融資はおりませんが、家賃収入を得る不動産投資としての「不動産賃貸事業」として融資を受けることが可能です。
また、不動産投資ではなく名目は海外事業への展開と考える必要があります。
よって、日本国内で不動産賃貸業を行っている必要があります。
不動産賃貸業に関しては、本格的な賃貸業務を行っている必要はありませんが、1軒でも日本国内で不動産を所有され賃貸として貸出されていると、個人でも事業とみなされますから大丈夫です。
ただし、黒字になっているのが好ましいです。
各支店によって違いますが、賃貸業として経営していることを証明する確定申告を行っていることと、事業融資であるので、事業計画書の提出も必要になってきます。
また、日本政策金融公庫は各支店によって融資条件が変わっていますので、A支店で審査に通らない場合でも、B支店では審査に通る場合もあります。
詳しくは、日本政策金融公庫のホームページを参照して下さい。
スルガ銀行
スルガ銀行は、海外不動産投資にも強い味方の銀行でしたが、シェアハウス融資での不正が発覚してからは、海外不動産投資に関して難しい状況になってきています。
不正が発覚する前のスルガ銀行では、有担保・無担保ローンという商品がありましたが、現在はホームページ上では表示されなくなっています。
代わりに、スルガ銀行には、「アセットプラン」「アセットプラン・プラス」という有担保によるフリーローンが利用することができるようになっています。
用途 | フリーローンなので用途は自由ですが、事業資金としては融資できません。 |
融資限度額 | アセットプラン:100万円~2,000万円 アセットプラン・プラス:2,000万円~1億円 |
金利種別 | 変動金利 |
金利 | 不明 |
融資期間 | アセットプラン:20年以内 アセットプラン・プラス:30年以内 |
日本での担保 | 土地、建物など不動産 |
詳しくは、スルガ銀行のホームページを参照して下さい。
オリックス銀行
オリックス銀行では、海外不動産購入に利用できる「不動産担保ローン」があります。
融資条件として、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産を担保に、最大2億円まで借り入れが可能とのことです。
スルガ銀行と比較すると借入期間が長く、金利も低いですが、年収や担保等の条件が厳しいです。
さらには物件の建設前に新築を購入する「プレビルド」の場合、ローンを受けることができません。
用途 | 海外不動産・別荘・太陽光設備・賃貸用不動産を購入予定の個人 |
融資限度額 | 1,000万円~2億円以内 |
金利種別 | 変動金利・固定金利 |
金利 | 固定金利:3.30~3.50% 変動金利:3.675% |
融資期間 | 35年 |
日本での担保 | 国内の不動産(首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市の居住用不動産) |
年収 | 700万円以上 |
オリックス銀行の場合は、融資に必要な担保として、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の地域に不動産を所有していることが前提であり、年収も700万円以上必要であることから、少し融資条件が厳しいと思います。
ただし、金利が3%代で長期の融資も可能なのがメリットだと思います。
詳しくは、オリックス銀行のホームページを参照して下さい。
個人的な結論
タイの銀行でも、コンドミニアムを購入するためにローンを組むことは可能ですが、タイの銀行を利用する場合には、
- タイ国内で銀行にローン申請するのに必要な提出書類及び申請は外国語対応となります。
- ローンは外貨建てになるので、金利も7%前後の高い設定になってしまう。
等の問題点があり、最初から私的には考えていませんでした。
そのために、ローン申請は、日本で組むことにし、実際に日本政策金融公庫でローンを組むことが出来ました。
ローンを組むことができたのは、私が日本国内で担保提供できる不動産を所有していたことと、微々たるものですが黒字収益だったこともあり、日本政策金融公庫でローンを組むことができたように思います。
では、日本にある他の銀行はどうだったのか?
他の銀行では、金利が高めに設定されていましたので、タイの物件(コンドミニアム)が高収益であったとしても、投資用に融資を組んで購入するにはリスクが伴うと思い、初めから融資の銀行としては考えていませんでした。
以前からお仕事を一緒にさせていただいている日系の不動産投資業者さんからアドバイスをいただき、さらに日本で調べた結果でした。
あくまでも、これは私個人の場合ですので、参考程度にしておいて下さい。
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