タイのホテルへの不動産投資
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タイのホテルへの不動産投資
タイでのホテル購入は、 タイでの住宅用不動産購入とはまったく違ったものになります。
外国人がタイでホテルを不動産投資として購入した場合には、タイの「ホテル法案2004」に準じて、業務を行う必要あります。
また、下記の様な制約がありますので、注意が必要です。
外国人企業法(Foreign Business Act:FBA)
タイでは外国人事業法で規制された業種があり、リスト1からリスト3までに分類されています。
基本、外国人が営業することを禁じています。
第一種事業 | メディアや農業、漁業など「特別な理由から外国人の営業を禁止する事業」9業種。 |
第二種事業 | ①「国家の安全保障にかかわる」銃火器や武器・軍用車や飛行機の製造・販売。
②「伝統芸術や文化に影響を与える事業」であるタイ美術の骨董品の取引、タイ楽器の製作。 ③「天然資源・環境に影響を及ぼす事業」の塩田からの製塩業、さとうきびからの製糖業などの13業種。 |
第三種事業 | 「外国人との競争力がまだ十分ではない事業」の21業種。この中にホテル業務が含まれます。 |
免除される場合
上記の第三種事業に関しては、外国人事業委員会の承認に基づき、商務省事業開発局長の認可が下りれば進出可能とされています。
外国事業免許(Foreign Business License:FBL)の申請・取得
タイでは、外国人による会社運営のためには、外国人事業許可(Foreign Business License:FBL))の取得が必要になってきますので、ホテルを購入、運営していくためには、必要になってきます。
許可は、商務省から取得するのですが、手続きが難しく、取得までに数年かかることもあります。
免除事項
ただし、企業の株式51%をタイ人が所有する場合には、上記の申請が不要になる場合があります。
また、100室以上のホテル、または最低投資資本が5億バーツ以上のホテルは、タイ投資委員会(BOI)から非課税の特典を受けられます。
さらに、場合によっては、タイ投資委員会(BOI)から、適切であると判断された場合、外国人が株式の過半数を保有することも可能になります。
タイのホテル運営に必要になってくる免許及びライセンス
タイで、ホテル運営を行っていく上で、必要になってくるのが上記の条件とともに下記の免許及びライセンスが必要になってきます。
- 外国人事業の免許
- ホテル事業の免許
- レストラン業の免許
- セミナー室のライセンス
- エンターテイメントのライセンス
- 食品・酒類及びたばこの取り扱い販売に関するライセンス
免許及びライセンスは、ホテルの規模と提供するサービスによって変わってきます。
ホテルライセンスの申請・取得
バンコクの場合、4室以上の客室、または20名以上のゲストを収容できるホテルは、州行政部に申請・取得する必要があります。
またはその他の地域の場合は州知事事務所から、ホテルビジネスを運営するためのライセンスを申請・取得する必要があります。
個人ができるホテルへの不動産投資とはどんなものか?
上記のような大きなプロジェクト的な投資ではなく、個人で行えるホテル投資があります。
日本では、あまり馴染みのないものですが、東南アジアのリゾートホテルへの投資が多くあります。
タイでも多くの投資用のホテルが販売されています。
ここでは、個人が行える一般的なホテルへの不動産投資について、メリットとデメリットについて説明します。
タイのホテル投資のメリット
ここでは、タイのホテル投資についてのメリットについて書いていきます。
ホテルの一部屋から購入可能
ホテルの1室から数室を購入して、観光客へ宿泊先として提供してそのホテルの収益から利益を得ることになります。
投資先ホテルのグレード
ホテルのグレードは、4星~5星がほとんどです。
また、通常のマンションなどによる不動産賃貸とは違い、グレードの高いホテル客室として運用・管理されていきますので、客室の維持管理や集客などはホテルが対応し、運用における手間も非常に少なくて済みます。
ホテルの立地条件
日本人になじみ深いリゾート地で、観光客が多く訪れる海辺近くが多いです。
販売価格
お部屋の広さやグレードによって販売価格が変わってきますが、約1,000万円~2,000万円くらいに設定されていますので、今持っている現金資産を、自分たちも楽しめるホテル客室という不動産に変えて余暇をより充実させることも可能になってきます。
オーナーの特権
販売されているホテルによって違いはありますが、1週間から1ヶ月の宿泊特権が付いていることが多いです。
また、所有して訳ですから、オーナーが自由に物件の売買は自由にすることができます。
収益の構造
ホテル全体の稼働率によって配当金が決まってきます。
また、最近の傾向としては、サブリース契約を結ぶことによって5年間の利回り保証等の特約が付くことが多いようで、投資額の5%~7%程度が毎年オーナーに振り込まれるようになっています。
タイのホテル投資のデメリット
メリット部分を読んでいただくと、日本のマンション区分による不動産投資に似ているように感じると思います。
ホテルの一部屋から購入可能なことにより収益額も限られてくる
資金が多くあり、購入する部屋の数が多い場合には、ホテル営業後のインカムゲインもそれなりの額が入ってきます。
1部屋を現金で一括購入する場合には、まだいいですが、ローンなどを利用する場合には、購入後のローン返済等に支払によって、収益がほとんどないケースもでてきます。
比較的安値で海外の不動産に投資できることから、販売業者からの美味しい話だけを鵜呑みにして、老後の資産形成等を夢見て購入される場合が多く見受けれます。
そんな方達の場合には、どうしても資金的に余裕がない場合がありますので、保有する物件はどうしても、1部屋になる場合が多く、思って以上の収入を得ることが出来ない場合もあります。
投資先がホテルということの弊害
順調に、ホテル経営がいっている場合には、全くと言っていいほど問題はありませんが、新型コロナウィルスなどにより、旅行者の激減や旅行自体の禁止があった場合には、ホテルとしての役割が機能しなくなります。
ホテル物件はコンドミニアムと違い、個人での集客行為ができません。
すべてホテル運営会社任せという大きな特徴があるので、業績悪化に伴うホテル閉鎖といったリスクが常にあることを考えておく必要があります。
オーナーの特権
オーナー特権として、週間から1ヶ月の宿泊特権が付いていることが多いですが、オーナーが好きな時期に利用できる訳ではありません。
経営は、あくまでもホテルが運営していますので、事前に利用したい時期をホテル側に伝えておく必要があり、物件によってはシーズンによって、若干の利用費を徴収される場合もあります。
収益の構造
最重要な問題点になります。
他の不動産投資との違い
順調にホテル経営が運営できれば、他の不動産投資よりも多くの収益を生むことも可能です。
料金及び賃貸料 | 1日単価 3,500バーツ | 30,000~40,000バーツ |
稼働日数 | 20日間 | 1ヶ月 |
収益額※ | 3,500×20=70,000バーツ | 30,000~40,000バーツ |
※ 諸経費等は計算に入っていません。
また、サブリース契約することによって、最初の数年間は投資額の5%~7%を保証されている場合があります。
素人でも目で見える収益状況
ホテルですので、ホテル検索サイトから、投資予定の物件場所付近にある他のホテルの運営状況やホテル代を見ることができますので、ある程度の収益状況を判断することが出来るのも他の不動産投資とは違っています。
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