タイで日本人(外国人)が不動産を購入する場合
外国人である日本人がタイで不動産を購入する場合には、色々と制約があります。
貴方がタイで不動産を購入する理由はなんでしょうか?
不動産投資でしょうか?
それとも、タイで暮らしていくために、不動産を購入するのでしょうか?
Contents
日本人がタイで不動産を購入できる条件
タイでは、外国人及び外国企業が土地を購入することはできません。
外国企業とは、外国資本が50%を超える企業になります。
外国籍である日本人が不動産を所有しようとした場合は以下の条件を満たしている場合のみ可能となっていますが、絶対ではありませんので、タイで不動産を購入を検討される場合には、必ずタイ現地で信頼できる不動産会社に相談しましょう。
外国人がタイで土地を購入する場合
- 配偶者がタイ人の場合は不動産を購入することができます。もちろんその際には、不動産の名義人は配偶者であるタイ人の名義になります。知人等のタイ人の名義で購入がありますが、法律的には禁止されていることですので、名義貸しが発覚した際には、刑事罰の対象になり土地は強制売却されてしまいます。
- 4,000万バーツ(約1億3,000万円)以上の投資金額がり、投資期間が3年以上などの条件を満たしさらに内務省の許可がおりた場合は、指定された地域内の土地を1ライ(1,600平方メートル)以下の土地の取得が可能になります。
- 会社を設立して、会社名義で購入することも可能ですが、外国人の株式保有率が登録資本金の半数以下の49%以下である必要があります。
- タイ投資委員会(BOI)の奨励企業や、タイ工業団地公社(IEAT)認定の工業団地内の土地で許可が出た場合は、土地の購入が可能になります。
基本的にタイの法律では、外国人が土地や土地付きの住宅を所有することを認めていませんので、土地付き住宅を購入することはできませんが、借りて住むことは可能です。
また、購入とは違いますが、リースする方法もあります。最長で30年間の賃貸契約を結ぶことが可能です。
リースホールド(Leasehold)
先に書いたように、タイでは外国人が個人で土地を購入することは、難しいですので、もしタイで一戸建ての住宅で住みたい場合は、どうしても賃貸を借りて住むことにとなります。
土地以外の家屋のみの場合は借地権付きの住宅として購入も可能になります。
この場合には、リースホールドという形をとることになります。
リースホールド(Leasehold)は、日本的に言うと不動産借地権のことを指します。リースした土地の上に建てる建物は所有することが出来ます。
タイでは、借地期間が3年以上の場合には必ず管轄土地局にて借地権の登記をする必要があり、これに従わない場合には法的な効力はないものとみなされます。
借地に建てた建造物を所有することができますが、この借地権契約は最大で30年と定められており、更新も可能となっています。
上記のような条件の場合は購入することができますが、購入に関して土地を所有しているタイ人とトラブルなり、公的機関などで仲裁、裁判になった際には、タイ人側に有利な条件提示或いは判決になってしまうことが多いです。
コンドミニアム等の区分住宅を購入する場合
日本で分譲マンションと言うところの、コンドミニアムは外国人も購入することが可能です。
ただし、外国人及び外国企業の所有区分がコンドミニアムの総床面積の49%を超えてはならなく、タイ人所有率が51%と定められています。
これは、仮にコンドミニアムの販売戸数が100部屋だった場合に、49部屋が外国人で残りの51部屋がタイ人名義という意味ではありません。
あくまでも、コンドミニアムの総分譲面積での計算しての割合になりますので、注意が必要です。
日本人がコンドミニアムをタイの法人名義で購入することも可能な場合もあります。これについては、別項目を設けて説明します。
タイでの投資目的の不動産購入
もし、投資目的なら慎重に物件を吟味しましょう。
「プレビルド」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?これは、1~3年後に完成する物件を先物買いする方法です。日本人が東南アジアで投資目的で購入する場合、このパターンが多いです。
完成予定図を見ての購入ですので、かなりの目利きが必要になってきます。完成予定地の現状が何もない空き地が広がる場合でも、劇的に変わっていきマンションの建設ラッシュになることがよくあります。
そうなると、供給と需要の関係が崩れていきます。自身が購入した物件の稼働数が他のライバル物件の出現により脅威にさらされることになります。また、立地場所の条件により転売も難しくなっていきます。
バンコクの新築コンドミニアムは、プレビルドから完成までの販売価格が120%以上は値上がりする物件が多いです。それでも、実際に転売した際にでる利益ですが、経費等を差し引くと大儲けとはなりにくいのが現状だと思います。
投資目的の不動産購入は、絶対に信頼できる不動産会社との相談が必須です。
タイで住むための不動産購入
タイに住むために不動産を購入する場合も、慎重に検討してからの購入が大切です。
日本での不動産購入と同じように考えて購入されると、こんなはずでは・・・となってしまうことが起こります。日本では当たり前と思っていることでも、外国では通用しないことが多くあります。
実際に、家に住んでみて分かることもあると思います。
電気系統、水回り、さらににはご近所問題など、日本でも起こる問題ですが、日本の管理会社などは、問題を解決するために、迅速に行動してくれることが多いですが、外国ではなかなか直ぐに動いてはくれません。
また、言葉の壁による意思の疎通も上手くいかないことがあります。
できるだけストレスの原因となるトラブルは早期に解決できるように、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。
タイ不動産の種類
タイのコンドミニアム
日本でいうところの分譲マンションで、セキュリティーがしっかりしています。各部屋をそれぞれ違うオーナーが所有している物件です。
最近では、バンコク・スカイトレインBTS路線の延長工事に伴い、大手デベロッパーによる高級コンドミニアムの建設ラッシュになっています。
現在、タイでは公共交通機関の整備によって、これまでの不動産物件とは違う流れになりつつあり、各駅には、大小の差はありますが、ショッピングモールや商業施設も併設されていくようになってきています。
また、駅と直結されているコンドミニアムも増えており、利便性が増す分、販売価格や賃貸料もそれに伴い、高価になっているようです。
コンドミニアムの特徴
安心のセキュリティ体制
コンドミニアムは24時間の警備体制になっており、コンドミニアムの敷地入り口には警備員が常駐しています。
また、要所要所には監視カメラが設置されておりモニターによって監視されています。
高額で販売されているコンドミニアムでは総じて高いセキュリティ体制が敷かれています。
共有設備の完備
コンドミニアムには、プールやフィットネスクラブが完備されています。
高級物件になるとさらに充実した設備が施されており、テニスコート、ゴルフ練習場、BBQ設備に加えてシャトルバスによる送迎まである場合があります。
家具や家電が完備
家具類やエアコン、テレビ等の家電類が完備されているのが一般的です。
完成前に、違う家具や家電製品と取り換えることも可能になってきています。
ムーバーン(Muban、หมู่บ้าน)
タイで一軒家というと、完全に独立した一軒家と壁に囲まれた「ムーバーン」に分けられます。
一般にタイ人が住む住宅は「ムーバーン」と呼ばれる住宅地(village)の中に、一戸建て、タウンハウス、ツインハウスなどが建てられています。
ムーバーン(Muban、หมู่บ้าน)は、ムーという「集まり」を意味する言葉と、バーンという家を意味する言葉からなる「村」という意味で使われており、その規模もまちまちです。
タイの大きなムーバーンだと、200~300規模の戸数になります。
日本人には、あまりなじみがないものですが、マンションの一戸建て住宅版という感じと思ってもらえれば分かりやすいかもしれません。
一戸建てですが、日本のマンションのように管理がされている感じになっています。
ムーバーンの特徴
セキュリティー
ムーバーンの一番の特徴として、セキュリティーの有無が挙げれらます。
ムーバーンは、四方を壁で囲まれており、出入り口には、警備員が立っており、不法侵入者や不審者の侵入を防いでくれています。
ただし、このセキュリティーの優劣は様々で、ムーバーン内への侵入者に対して素通りで行かせてしまうような警備員がいるムーバーンもあますので、外国人や富裕層が居住しているムーバーンを選ぶ必要があります。
それらの高級ムーバーンであれば、 ムーバーンのゲートには24時間体制で警備員が常駐し車の出入りや侵入者のチェックは厳しく、24時間体制でムーバーンの中を巡回警備 しています。
管理組合によるムーバーン内の管理
また、ムーバーン内では管理組織があります。
この管理組織については、販売会社が運営する場合と住民による組合で管理する場合に分かれており、いずれも住民が管理費(共益費)として支払っているお金で運営されています。
この管理組織によって、セキュリティーの管理やムーバーン内の清掃員による清掃、その他設備の運営を管理しています。
管理費(共益費)は、ムーバーンのレベルによって、下は数百バーツから高級ムーバーンになると毎月数万バーツの管理費(共益費)がかかってきます。
この管理費(共益費)が高く設定されている場合には、ムーバーン内の施設等も綺麗に保たれていますので、財産価値としての評価も高くなりますので、転売する際にも高額で売ることが可能な場合もあります。
大きなムーバーンになるとその面積はかなりの広さになり、ムーバーン内に、公園、お店があり、さらに高級ムーバーン内にはプール、フィットネスクラブが完備され、あたかも町のような感じになっているムーバーンもあります。
ムーバーンに属さない一戸建て住宅
ムーバーンに入ることなく、幹線道路や路地などに面して孤立した状態で建っている一戸建てタウンハウスは、外国人である日本人にとっては、かなりハードルが高い不動産物件になります。
まず、セキュリティーの問題があります。
比較的安全なタイですが、やはり外国ということは忘れてはいけません。お金に困っているよくない考えを持った者が近所に住んでいた場合、「日本人」というだけで狙われる可能性も出てきます。
ムーバーン内でも同じかもしれませんが、警備員による24時間の監視システムがあると、やはり犯罪抑制にはなっていると思います。
また、住宅に不具合が出た場合には、全て自分で処理しなければならなくなってしまいます。
当たり前のことですが、ムーバーンに属さない一軒家の場合、管理してくれる会社がありません。
トラブルが起きた時には自力で解決しなければなりません。水漏れや雨漏り或いは破損した家屋の修理など、自分で業者を探して修理等を依頼する必要があります。仲介業者側でのアフターサポートがあったとしても、限度があります。
管理会社及び管理組合がない分、かなりの労力が必要になってきます。
タイにおける一軒家の種類
一軒家(Detached House)
日本の一戸建てと同じく独立した造りになっており、敷地面積も広めです。
外国人専用の一戸建て住宅では、いくつかの物件が集合しムーバーンを形成しており、広い庭やプールを共有しているところもあります。
ツインハウス(Twin House)
ツインハウスは、2軒の家同士が隣り合わせに建てられたタイプの一軒家です。
日本と同じですが、お隣に住む方によって、暮らしやすい場所かどうかの成否が決まってきます。
タウンハウス(Town House)
あまり、日本では馴染みのない呼び方ですが、2軒以上が繋がった長屋のような、2~3階建ての住宅をタウンハウスと呼んでいいて、入居者専用の庭や、ガレー ジも付いています。
1階は、店舗や事務所として使用している場合もあります。
隣家と壁を共有してますので、一軒家のような開放感がなく、中央にある家屋は通気性があまりよくなく、どうしても角部屋が人気になってしまいます。
プライバシーも一軒家ほどはありません。
タウンハウスも、土地付き住宅ですので、外国人が購入することは出来ませんが、賃貸物件として借りることは可能です。
タイで不動産を購入する時の注意点
完成前の不動産物件で全額支払いを求められた場合
物件完成前に全額の支払いを求められることは基本的にはありません。
タイでは、完成前にトラブルが発生する例が非常によく見られますので、建物完成前に物件価格を全額支払うことはありません。
物件完成前に全額を支払わせるということは、ディベロッパーに、建物完成のための資金がないことを示していますので、そういった案件は、計画が頓挫する可能性が極めて高いといわざるを得ないのです。タイでコンドミニアムを購入するにあたっては、代金さえ払えば、物件が必ず手にはいるとは考えてはならないのです。
中古のコンドミニアムの場合
前住民が共用費及び積立修繕費を支払っているのか確認が必要です。
前住人が支払っていなかった分を請求されるかもしれませので、確認が必要です。
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